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『止まらない進まない』ナカスジミナミ

日本では緑は「青い」と表現される事があり、戦後の日本の法律上、信号機の緑は「青信号」と呼ばれる様になった。 私自身、それに影響を受けているのがゆえ真ん中が黄色の信号機に違和感を感じていた。というのも信号機が赤と青ならばその中間色は紫ではないのかと。赤と青が混ざれば紫なるとそう教わってきた。 この信号機が道路にある附属施設ではなく1つのオブジェとして見るとなると赤と青で中間色を真ん中に入れたというのならばやはり黄色は間違いではないかと思った。 今回展示の話を受け私は本物の信号機を購入し、黄色だったレンズ部分を紫色に変えた信号機を制作した。黄色は「危険」を表す注意喚起を主な目的としたサインだったが、この場合の紫の意味は何か。それをこの作品のタイトルにしようと考えた。信号機の色の意味を見直すと赤は「止まれ」青は「進め」。 この間にある紫はどちらの選択もしない「止まらない進まない」なのだ。 <ナカスジミナミ> 紫色を使用した作品を制作している。 紫色は赤と青の様に何かを区別せず、対極にある2つの色彩の中間にある存在だ。そんな曖昧な色を意識させる様にしている。

『watashi wa anata no tenshi ni naru』タナカアキコ

五感は、一生分の孤独です。となりで同じ時空を過ごしていても、あなたは、わたしの見つめる世界を見ることはありません。魂の最も深い地点見た色や形を、できるだけ可視化し、あなたとわたしの孤独を、できるだけ縮めたい。 <タナカアキコ> 突然にわきあがる感情を因数分解し、じぶんが“ほんとうに”感じていることはなにかを捉えたいです。その因数分解の過程が制作であると考えます。

『おもちゃの仮面』野中 彩絵子

素材:プラスチックのおもちゃ、液晶モニター、木材 おもちゃを燃やすことによって、おもちゃが人が可愛いと思えるプラスチックの物質としてデザインされている存在であることを表現しようとしています。同時に、おもちゃとプラスチックゴミの問題とリンクさせ、環境問題についても考えさせる作品にしています。 <野中 彩絵子> 日常生活で使うものをモチーフに制作しています。普段、目につくものを今まで見たことのないユニークな形に展開し、多くの人に共感してもらえる作品を制作しています。

『ほぐれる景色』山口 世楠

素材:マッサージャー、木材、カーペット ほぐすと景色もほぐれます。視認したそれは正しい物なのでしょうか。 <山口 世楠> 人という肉体のビジュアルや行為に着目している。肉体の存在を追い、様々な視点と媒体で抽出していく。

『気配-「足音」』米田詞保

何らかから発生した"音"が持つ情報は意外とシンプルで、"動いているものが存在している"ということ、ただそれだけしか分からない。 足音が聞こえるとき、たとえその存在が見えていなくとも、生命の動きを感じとることができる。 本作では、役目を終えたベビー靴たちが、無邪気な子供のように暴れ回る。 小さなベビー靴の寿命はかなり短い。子供の成長が早く、サイズが合わなくなったり、短い足で大人の歩幅に合わせて沢山歩く為、おまけに扱いも丁寧ではないので、消耗するのも早い。 それらがもう一度動き出せるよう、命を吹き込んだ。 <米田 詞保> 生きた人間や生命が持つ感情や個性は、機械や非生命とされるものには本当に無いのだろうか。生きた人間が機械のごとく働かされ、非生命の機械が生き生きと動いている光景を見ても、果たしてそのことが言えるのだろうか。生命と非生命、それぞれの視点から模索していく。

『つぎはぎの木』
匿名

日常で自分が感じる違和感などを表現。 着ぐるみを纏うことで今まで他者が認識していた私、人間であった私から解離し誰でもなり得る存在になり誰でもない存在になった。それはあらゆる世界にある人間の中の差別や偏見の目から逃れた成れの果ての姿でもある。そんな私の目の前ではどの人間も区別なくただの人間でしかなく、限りなく平等だ。しかしそれはこの世からの私と肉体の精神の滅びにも似ていた。

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